Bibliography

Nazraeli Press
2004年
80ページ
348×409 mm
カラー図版43点
ハードカバー
ISBN: 978-1590050859

セザンヌの「サント・ヴィクトワール」が肖像画の背景や宗教的意味といった役割から脱し「山そのもの」を初めて描いた絵画であると知った鈴木は、セザンヌの絵画に強い写真性を感じて2000年に南仏を訪れた。プロヴァンス特有の乾いた風と強い日差しの中、実際に見るヴィクトワール山は光の変化によってめまぐるしく表情を変えた。鈴木はハンディな6×7インチカメラにより移動の経験を、大型の8×10インチカメラで見ることの経験を感光した。本作は堅固で自律的な再構築物として絵画を成立させたセザンヌへのオマージュと言える。同シリーズにより第22回東川賞国内作家賞を受賞。
テキスト：前田英樹「鈴木理策と移動の写真」／略歴／展覧会歴／著作リスト（和英併記）