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〔個展〕Mirror Portrait

タカ・イシイギャラリー東京(東京都港区六本木6-5-24 complex665 3F)

2016年11月26日 – 12月24日/火 – 土 11:00-19:00/定休日:日・月・祝祭日

オープニング・レセプション:2016年11月26日(土)18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーHP

 


 

「肖像写真とは撮られることを知っている人物の写真だ」 リチャード・アヴェドン

*’Jacob Israel Avedon’ by Richard Avedon, Camera Magazine, November, 1974

 

ミラーポートレートのきっかけはこの言葉だったかもしれない。カメラの前で人は多かれ少なかれ撮られることを意識する。それに対し、撮影者は被写体との心的な距離や関係性を画面の中に持ち込むか、もしくは被写体を物質的に扱うことで写真を成立させようとする。これらは言わば肖像写真の両極で、過去に写された全ての肖像写真はこの2極の間のいずれかの位置に収まってしまうだろう。

 

鏡に映る自分の姿を見つめる人を鏡の内側から撮影する時、撮影者は見返されることはない。<撮る><撮られる>という関係から解放され、被写体は鏡を見ながら気に入った表情を探し、私の視線には圧倒的な権利が委ねられる。鏡の中に自らの表情を定めた人々の記録は、彼らのセルフポートレートでもある。風景の撮影と同様、自らを消す様にしてシャッターをきる。私の写真は機械による知覚の純粋さを求めているからだ。

鈴木理策

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All photos © Risaku Suzuki/Courtesy of Taka Ishii Gallery